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1.路上に高齢者・妊婦らの専用駐車スペース 19日から
2.後期医療の後継に4案、国民意識調査も実施へ 厚労省
3.健康保険関連法改正案、衆院で可決
4.被用者保険認めれば9000億円減=新高齢者医療で財政試算-厚労省
5.社説:製薬会社処分、医薬品の信頼回復に努めよ
6.社説:外国人看護師 締め出し試験の愚かさ
7.胎児治療薬:保険を適用 胎盤通じ投与、呼吸困難防ぐ
8.保険適用願い署名活動 「けいれん性発声障害」で患者会
9.【日本緩和医療薬学会】緩和薬物療法認定薬剤師の第一号71人が誕生
10.低カロリーダイエットはかえって体重を増やす
11.肝がんの遺伝子異常発見 国際ゲノム解析で日本チーム
12.アルツハイマー病のリスク、食事で劇的に減少可能
13.ステロイド副作用 薬剤による対策はしない66% エビデンスが不足
14.糖尿病○脂肪を控えてカロリーを減らすべきか
15.第84回日本感染症学会 成人肺炎球菌ワクチンの予防効果を初めて証明
16.マンモスクリーニングは乳癌死亡を減らさない(BMJ誌)
17.【使用上の注意改訂】抗精神病薬の重大な副作用に「血栓症」が追加
18.ACE阻害薬+Ca拮抗薬、高リスク高血圧におけるCKD抑制効果が明らかに
19.子宮内膜がん、大動脈周囲リンパ節切除術は有効か? :SEPAL試験
20.開腹手術不適の腹部大動脈瘤、血管内修復術は有効か?
21.腹部大動脈瘤の血管内修復術、開腹手術と全死因死亡率に有意差なし
22.シスプラチン+ゲムシタビン、胆道癌の生存期間を有意に延長
23.ビタミンC+E補給、妊娠高血圧による有害転帰を抑制せず
24.Better Treatment Found for Crohn's Disease
25.Hormone Therapy May Fight Resistant Prostate Cancer
26.Treatment Eases Involuntary Laughing, Crying Tied to Alzheimer's, MS
27.New Alzheimer's Gene Identified
28.Artificial Pancreas for Type 1 Diabetes Moves Closer to Reality
29.プレスリリース
1) "がん"や"生活習慣病"の発症リスクを自己判定する、新しい検査サービス「リスクチェックシリーズ」を新発売
****************************************1.路上に高齢者・妊婦らの専用駐車スペース 19日から
朝日新聞社2010年4月15日
病院などに近い駐車禁止の一般道路に、高齢者や妊娠中の女性、障害者らの運転する車が駐車できる専用スペースを全国で1148台分確保したと、警察庁が15日に発表した。改正道路交通法が施行される19日から運用を始める。年々増える高齢者ドライバーらに向けた施策で、駐車に必要な標章の申請も同日から全国の警察署で受け付ける。
専用スペース(高齢運転者等専用駐車区間)を利用できるのは70歳以上の高齢者や妊娠中か出産後8週間以内の女性、身体や聴覚に障害がある人。
専用スペースは47都道府県にあり、病院や郵便局、銀行、福祉施設などの近くの路上362カ所。うち356カ所1135台分は無料で時間も無制限。残りは300円で60~90分の時間制限がある。多くが新設で、今後も増やす方針という。
電車やバスといった公共交通機関が使いにくく、路上駐車禁止区間だった場所を中心に選定された。高齢のドライバーらから「いつも満杯でなかなか止められない」「優先的な駐車場はないのか」などといった声が警察に寄せられていたという。
専用スペースには、高齢者らに限って駐車可能であることを示す「標章車専用」と記された標識を設置する。
駐車するには、都道府県公安委員会が発行する「専用場所駐車標章」と記された証明書をフロントガラス内側に置くことが必要だ。標章の申請には、最寄りの警察署に免許証や車検証を持参する。28府県は即日交付、その他の都道府県も2週間以内に交付される。どこに専用スペースがあるかなどの問い合わせは都道府県警が応じる。
専用スペースを利用できるのは標章の申請者だけで、他人に貸与したり譲渡したりすると5万円以下の罰金。標章の対象者以外が駐車すると違法駐車になり、通常の違反金に2千円が上乗せされる。
同庁によると、70歳以上の高齢者らの運転免許保有者は2007年で約616万人。97年比で約2.2倍。70歳以上の高齢者の側が原因となった死亡事故も年々増えており、昨年640件。10年前に比べて1割増になっている。
同庁は、高齢ドライバーの安全運転への支援策を有識者らによる委員会で検討を進めてきた。
2.後期医療の後継に4案、国民意識調査も実施へ 厚労省
朝日新聞社2010年4月15日
75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(後期医療)を廃止した後の新たな制度について、厚生労働省は14日、四つの案をまとめた。新制度を検討している有識者の意見を踏まえたもので、夏までに骨格を決める。5月には、高齢者医療制度に対する国民意識調査を実施する方針も打ち出した。
4案は、この日の高齢者医療制度改革会議で示された。後期医療は、75歳という年齢で分けることが批判を浴びた。今回の4案は、大企業の会社員らが入る健康保険組合(健保組合)などの被用者保険の加入者が高齢者になった場合の仕組みが異なる。
「都道府県一本化」案は、被用者保険の加入者は現役で働いている場合は被用者保険に残る。被用者保険、自営業者らが入る国民健康保険(国保)は、それぞれ都道府県単位で運営する。ただ、加入者の年齢構成や所得によって財政の格差が出るため、被用者保険と国保の間で財政調整をする。
「突き抜け方式」案は、被用者保険の加入者が退職した場合、新設する退職者健康保険制度に入る。この新制度は、被用者保険が共同で運営する。この方式は、労働組合でつくる連合が提案した。
一方、65歳になった段階で、新たな制度に加入するのが「65歳以上別建て」案。この案は、健保組合でつくる健康保険組合連合会が示した。
「国保に一体化」案は、65歳の高齢者が国保に入る。65歳以上は別会計で保険料などを軽減。国保の運営は都道府県単位にする。
国民意識調査は、65歳未満の成人4千人と65歳以上の4千人、さらに有識者らを対象に5月に郵送で実施する。新制度の骨格を取りまとめた後の9月には、成人3千人を対象に面接方式で調査する。
3.健康保険関連法改正案、衆院で可決
日本経済新聞社2010年4月15日
後期高齢者医療制度への支援金の一部を大企業の健康保険組合などに事実上肩代わりさせるための健康保険関連法改正案は、15日午後の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決し、参院に送付された。
現役世代の医療保険が75歳以上の後期高齢者の医療費を支えるために拠出している支援金の算定方法を、1人あたりの定額方式から年収比例方式に切り替える。中小企業の従業員など加入者の平均年収が低い協会けんぽ(旧・政府管掌健康保険)の大幅な保険料上昇を回避し、負担を軽減するのが狙い。
市町村が運営し、自営業者や無職の人などが加入する国民健康保険(国保)については、低所得者を抱える市町村などへの国や都道府県からの財政支援措置を4年間延長することも盛り込んだ。
資金拠出を求められる大企業の健保組合や公務員らの共済組合などにとっては負担は増える。自民、公明両党は事実上の肩代わりとなることに反対して修正案を出したが、14日の衆院厚生労働委員会で否決された。
これに関連し、民主党は14日の厚労委での採決を妨害したとして自民党の大村秀章衆院議員への懲罰動議を衆院事務局に提出。
4.被用者保険認めれば9000億円減=新高齢者医療で財政試算-厚労省
時事通信社2010年4月15日
厚生労働省は14日、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の後継として検討している新制度の財政試算を発表した。原則として65歳以上が市町村の国民健康保険(国保)に加入する一方で、会社に勤める高齢者については健保組合など被用者保険への加入を認めた場合、公費負担は現行より9000億円減少するとしている。
同日開かれた「高齢者医療制度改革会議」に提示した。試算は65歳以上について(1)全員が国保(2)被用者保険の本人、家族は引き続き被用者保険(3)本人は被用者保険、家族は国保-とする案を設定。
公費投入の対象年齢を後期医療と同様に「75歳以上」とした場合、3案とも公費は現行より9000億円減少した。ただ、全員国保の場合は中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽが2000億円の負担減となる一方、国保の負担は9000億円増加する。本人、家族とも被用者保険のケースは、協会けんぽの負担が逆に3000億円増え、国保の負担増は6000億円となる。
5.社説:製薬会社処分、医薬品の信頼回復に努めよ
読売新聞社2010年4月15日
薬害被害者から改めて怒りの声が上がるのは当然だろう。
厚生労働省は、田辺三菱製薬の子会社が新薬の試験データを組織的に改ざんしたとして、田辺三菱と子会社に業務停止を命令した。
何回も合併を重ねている田辺三菱の前身企業の一つに、薬害エイズと薬害肝炎を引き起こしたミドリ十字がある。田辺三菱グループは、薬の安全性にはひときわ真摯に取り組む責任があるはずだ。
にもかかわらず、子会社の「バイファ」は新薬の承認・販売に必要な試験で、問題化しそうなアレルギーのデータを差し替えるなど16件の不正を行っていた。
バイファ社員の内部通報でこれを知った田辺三菱は、昨年3月に不正を公表して自主回収した。
田辺三菱が設置した第三者委員会の調査報告書によると、バイファ社は新薬のための工場を建ててしまったことなどから、承認の遅れを避けたかったと見られる。
投与された人に健康被害は確認されていないというが、だからといって許されるものではない。
田辺三菱もバイファ社と共同で新薬の承認申請をしており、不正を見逃した責任は重い。製薬大手の業務停止は異例だが、医薬品の信頼を根本から損なうような不祥事だけに、当然の処分である。
バイファ社は旧ミドリ十字が設立した子会社で、幹部社員も多くが旧ミドリ十字の出身だった。問題の新薬開発も旧ミドリ十字が始めたプロジェクトだ。
今回の不正を、薬害エイズ事件などで明らかになった前身企業の安全軽視体質が、いまだ残っていた結果と見ることもできよう。
しかし、背景には業界全体に共通する要素も横たわっている。
製薬業界では今年以降、大きな収益を上げてきた薬が続々と特許切れとなる「2010年問題」に直面している。生き残るためにはできるだけ早く、新薬を開発することが必須だ。
また、調査報告書は、旧ミドリ十字が抱えていた不祥事や懸案への対処は同社の出身者を中心に行われたために、全社的な対応が遅れたとも指摘している。親会社が合併を繰り返し、子会社の監督が不十分だった。
内外で厳しい競争にさらされ、合併・再編が相次ぐ製薬業界だけに、今回の不祥事を人ごとで済ますわけにはいかないだろう。
医薬品は命に直結する。田辺三菱は無論だが、業界全体でも再発防止に取り組み、日本の薬に対する信頼を守ってもらいたい。
6.社説:外国人看護師 締め出し試験の愚かさ
毎日新聞社2010年4月15日
経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンから来日している受験生が初めて看護師国家試験に合格した。ただし、わずか3人。両国の受験者は254人で、合格率は1・2%だ。一方、日本人の合格者は約9割に上る。外国人受験生にとっての壁は、難解な漢字や専門用語だ。本当に看護師の仕事に必要なのか。わざと締め出そうとしているようにしか思えない。
関税を撤廃し貿易の活性化を目指す枠組みが自由貿易協定(FTA)で、これに投資や知的財産保護を加えた幅広い自由化のルール作りをするのがEPAだ。インドネシア人候補者は08年8月から、フィリピン人は09年5月から受け入れ始め、これまでに看護師候補約360人、介護福祉士候補約480人が来日した。
看護師候補者は半年間の日本語研修を経て、病院で働きながら国家試験の勉強をする。期限は3年間で3回の受験機会に合格すれば日本で働き続けることができる。試験は今年で2回目で、昨年は82人全員が不合格だった。第1陣は来年の試験に不合格だと帰国しなければならない。自国では看護師資格のある人々なのにである。
試験問題の文中には「誤嚥」「臍動脈」「塞栓」「喉頭蓋」「喘鳴」「落屑」などの難しい漢字がたくさん登場する。どうしても必要ならば仕方がないが、たとえば「眼瞼」は「まぶた」、「褥瘡」は「床ずれ」に言い換えた方が患者もわかるし医療現場でも便利ではないだろうか。「創傷治癒遅延」は「傷の治りが遅い」ではだめか。「腹臥位」「半坐位」「仰臥位」「砕石位」は診察や治療の際に患者に取ってもらう姿勢だが、イラストを付けるとわかりやすくなる。医学用語である「企図振戦」はintention tremorという英訳を付けてはどうか。
日本人の受験生もこうした業界用語を習得する勉強に時間を費やしているのだろうか。患者とのコミュニケーションや医療事故を起こさないスキルの獲得に励んだ方が有益ではないか。患者や第三者の監視の目を立ち入らせないようにする閉鎖性がこういうところに表れるのではないかとすら思えてくる。
形式的な公平だけでなく、実質的な公平を実現しなければならないことを「合理的配慮義務」という。国連障害者権利条約などにある概念で、障害や宗教、人種などによる目に見えない障壁を取り除くために用いられる。看護師を目指す外国人に対する日本の国家試験はまったく合理的配慮に欠けている。高齢化が急速に進んでいく一方で、就労人口は減っていく。外国人看護師にたくさん来てもらわなければ困るのに、いったい何を考えているのか。
7.胎児治療薬:保険を適用 胎盤通じ投与、呼吸困難防ぐ
毎日新聞社2010年4月15日
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